不安障害とは?

不安障害とは?

不安障害とは、不安を主な症状とする精神疾患のことです。特定の対象や状況に対する不安や恐怖が過度に心を占めて精神的に苦しみ、不安や恐怖を感じる状況を避けようとする回避行動により日常生活に支障が出ている状態を指します。
アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では不安障害をさらに詳細な10種類の障害群に分類しており、

  1. 分離不安症/分離不安障害
  2. 選択性緘黙/場面緘黙症
  3. 限局性恐怖症
  4. 社交不安症/社交不安障害
  5. パニック症/パニック障害
  6. 広場恐怖症
  7. 全般性不安症/全般性不安障害
  8. 物質・医薬品誘発性不安症/物質・医薬品誘発性不安障害
  9. 他の医学的疾患による不安症/他の医学的疾患による不安障害
  10. 特定不能の不安症/特定不能の不安障害

に分類されます。

 

1.分離不安症/分離不安障害(Separation Anxiety Disorder)

分離不安障害とは、家や人物などの愛着の対象からの分離(離れること)を恐怖し不安がり、恐怖や不安の程度が過剰な状態を分離不安障害と言います。幼少期から青年に多く、また、成人の場合においても発生する可能性がある障害です。下記のA~Hのうち3つ以上に該当し、4週間以上(成人の場合6ヶ月以上)持続する場合や、仕事や学業、生活においてこれらの不安が影響を来し、問題や障害を引き起こしている場合、分離不安障害と診断されます。
A.愛着を持っているものや人物からの分離(離れること)が予期される場合、もしくは分離している(離れている)状態の時、反復的で過剰な苦痛を感じる

例:お母さんが出張で1日会えなくなるとに対し不安で苦痛を感じる。
例:娘や息子が将来結婚して家を出て行ってしまうのではと常に考えてしまう。

B.愛着を持っているものや人物を失うかもしれない、病気や負傷、災害に合うかもしれない、死ぬかも知れない、などの愛着を持っているものが被害を受ける可能性に対する持続的で過剰な心配
例:お母さんが突然病気になったらどうしよう…と常に考えてしまう等
例:娘や息子が自分のいないところで突然死してしまうのではないかと一緒にいないと不安に感じる等

C.愛着を持っている重要な人物から分離される(引き離される)運の悪い出来事(迷子、誘拐、事故、病気)に遭遇するかも知れないという持続的で過剰な心配
例:突然家族と会えなくなってしまうことを常に心配し、不安を常に感じる。
例:家族が事故や誘拐に会うのではないだろうかと、常に心配し、不安を感じる。

D.分離への恐怖のため、家から離れ学校や仕事など、出かけることについての持続的な抵抗または拒否
例:家以外の場所にいるのが嫌になる。 家にいないと安心できない等
例:

E.一人でいることや、愛着を持っている重要ない人物がいない状況で一人で過ごす事への持続的で過剰な恐怖や抵抗
例:家族がいない家で一人でいることが苦痛に感じる等

F.家以外で寝ることや、愛着を持っている重要な人物が近くにいない状態で就寝する事への持続的な抵抗または拒否
例:家以外の場所で寝ることが怖い。両親がいないと寝れない。等

G.分離を主題とした悪夢の反復
例:誰かと離れ離れになる夢や、家を失う夢等

H.愛着を持っている重要な人物から分離される、または予期される時の反復する身体症状の訴え(頭痛、腹痛嘔吐など)
例:家の外にいるとすぐに体調を崩してしまう

2.選択性緘黙/場面緘黙症(Selective Mutism)

選択性緘黙(せんたくせいかんもく)とは、場面緘黙症とも呼ばれ、日常では会話したり話すことはできるのに対し,学校や会社といった話すことが求められる特定の場面や状況で話せない状態が続く行動問題のことを選択制緘黙と言います。

選択制緘黙に該当する条件例として、特定の場面や状況で話せなくなってしまう事が、学業や職業に影響し、コミュニケーションを妨げてしまっている場合で、話す事ができない事に対して、言葉の知識や感情に影響されるものではなく、この症状が1ヶ月以上続き、他の精神病性障害の経過中でない場合は、選択制緘黙に該当します。

 

3.限局性恐怖症(Specific Phobia)

限局性恐怖症は、特定の対象や状況に対して強烈な不安と恐怖を抱き、回避行動をとる状態です。限局性恐怖症を持つ方では、複数の対象や状況への恐怖がみられることが多く、平均するとおおよそ3つの恐怖刺激に対して強い恐怖を抱くといわれています。恐怖刺激の例は以下の通りです。
生物(例:植物、蜘蛛、犬、ミミズ等)
状況(例:高所、閉所など)
自然環境(例:雷、地震など)
血液・注射・負傷型(例:注射、手術等)
その他の型(例:嘔吐、着ぐるみ)

4.社交不安障害(Social Anxiety Disorder)

他社の注目を浴びる可能性のある社交場面に対する、著しい恐怖または不安を感じ、その状況を回避する状態を指します。動悸や発汗、赤面などの自律神経症状をともなうことがあります。否定的な評価を受けることを恐れているために、恐怖や不安を感じ、社交的状況を回避するようになり、回避行動が持続する(6ヶ月以上)場合は社交不安障害に該当します。

5.パニック障害(Panic Disorder)

パニック障害とは、繰り返される予期しないパニック発作が起きる障害です。突然激しい恐怖や強烈な不快感の高まりが数分以内にピークに達し、以下の4点以上に該当する場合はパニック発作に該当します。
A動悸、心拍数の増加
B発汗
C震え
D息切れ、息苦しさ
E窒息感
F胸痛や胸部の不快感
G吐き気や腹部の不快感
Hめまい、ふらつき、気が遠くなる
I寒気、もしくは熱感
J異常感覚(感覚麻痺)
K現実感消失、離人感(現実ではないように感じたり、離脱しているように感じる)
L抑制力を失う又は、どうかなってしまうことに対する恐怖
M死ぬことに対する恐怖

上記以外にも、耳鳴り、首の痛み、頭痛、抑制を失って叫ぶもしくは泣いてしまう場合もある。(これらは4点のうちの1つと数えるべきではない)

 

6.広場恐怖障害(Agoraphobia)

広場恐怖症とは、公共交通機関の利用や、広い場所にいる事などに対し顕著な不安や恐怖があり、それらの状況を回避したり、付き添いの人を必要とする状態です。広場恐怖障害には以下の5つの状況のうち二つ以上に対し、恐怖や不安を感じる場合が該当します。
A.公共交通機関の利用(例:バス、列車、船、航空機など)
B.広い場所にいる事(例:橋や駐車場など)
C.囲まれた場所にいる事(例:映画館、会議室など)
D.列に並ぶ、又は群衆の中にいる事
E.家の外に一人でいる事

7.全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)

全般性不安障害は、さまざまな出来事や活動に対する過剰な不安と心配が起こる日の方が起こらないひより多い状態が6か月以上持続する状態です。不安に感じる対象が複数あり、常に何かしらの不安を感じてしまう。そして、その不安が解消されても、新たに何かしらを不安に感じてしまい、不安が尽きない状態が他の不安障害との違いです。

8.物質・医薬品誘発性不安障害(Substance/Medication‒Induced Anxiety Disorder)

物質・医薬品誘発性不安障害とは、パニック発作や不安の症状の原因が、特定の物質や医薬品であると判断される状態を指します。
症状が物質中毒や、医薬品の使用後や離脱(医薬品の減量や断薬)期間中またはその直後にあらわれ、症状による障害が日常生活に支障をきたしている状態です。主にアルコール・カフェイン・大麻・鎮静剤・睡眠薬などに誘発性がある事が判明しており、中毒中による発症、離脱中の発症、医薬品使用後の発症のいずれかの時点で誘発されます。

9.他の医学的疾患による不安症/他の医学的疾患による不安障害

他の医学的疾患による不安障害とは、脳梗塞を経験した人が、またいつと思うと怖くて一人で家にいられなくなる場合や、癌を経験した人が再発や死への不安を感じるなどの原因から、パニック発作または顕著な不安の症状が発生する状態を言います。

 

10.他の特定される不安症/他の特定される不安障害(Other Specified Anxiety Disorder)

このカテゴリーは、症状限定性発作、起こる日より起こらない日の方が多い全般性不安、文化依存症候群などが上げられます。

症状限定性発作

パニック障害の診断基準には該当しないが、診断基準にある身体症状または認知症状が4つ以上にならないが、他の基準を全て満たす場合には、症状限定性発作と呼ばれます。

起こる日より起こらない日の方が多い全般性不安

全般性不安障害では、該当条件に起こらないより起こる日の方が多いという条件があります。それに該当しないが、私生活において全般性不安による私生活に影響を及ぼしている場合、他の特定される不安症と診断されます。(症状分類のために、起こる日より起こらない日の方が多い全般性不安と呼ばれ、治療方法も変わるため分けられます)

文化依存症候群

文化的概念(宗教や地域の迷信など)が原因である地域・民族・文化環境において発生しやすい精神障害の事を指します。日本では主人在宅ストレス症候群というものが存在します。

 

 

参考資料

精神疾患の診断・統計マニュアル第5版

精神神経学雑誌 第 116 巻 第 6 号(2014) 429‒457 頁(https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf)

バーチャルリアリティーを用いた不安障害等治療ソフトウェア事業資料

 

 

Virtual Reality Exposure System

不安障害等暴露治療補助ソフトウェア

 有限会社魔法アプリでは、不安障害等の治療に用いられる暴露治療を仮想現実で行うことができるシステムの開発を行なっております。今後はこのシステムを事業化することを目標に現在活動しております。

 

1.VR(仮想現実)と不安障害について

不安障害とは、精神障害(疾患)における症状の1群です。日本には年間約300万人が精神疾患を患い、病院に訪れ、中でも不安障害を患い病院をおとずれる人は年間で約57万人ほど存在します。不安障害の治療では現在では「認知行動療法」「森田療法」「家族療法」「集団精神療法」「自立訓練法」などが主流となっています。しかしながら、実はもっと効果的な不安障害の治療方法として、「暴露療法」というものも存在します。

暴露療法(Exposure therapy)とは、不安や苦痛を克服するため、患者が恐怖を抱いている物や状況に対して、危険を伴うことなく直面させ、行動療法によるカウンセリングを行う治療方法です。現在では全般性不安障害、社会不安障害、強迫性障害、PTSD、特定の恐怖症などの障害の治療について、さまざまな研究においてその有効性が裏付けれらています。

しかしながら、現在暴露療法を行っている施設は少ないのが現状です。その原因として、環境構築の難しさが挙げられます。先述の通り、患者の恐怖対象に直面させるためには、準備が必要となります。例えば、飛行機恐怖症害(不安障害群 限局性恐怖障害群恐怖刺激対象:状況300.29(F40.248))の場合、実際に飛行機に乗りながらカウンセリングを行うことになります。蜘蛛の場合は蜘蛛を用意し、蛇の場合は蛇を用意しなければなりません。そのため、暴露療法を行うには多額の費用がかかるため、コストの面からあまり治療方法として選択されてきませんでした。

しかしながら、VR技術はこれらの問題を解決することができます。

カウンセリングルームにパソコンとVRに必要な機材を用意し、患者に対して仮想現実空間での治療が行うことができれば、暴露療法が気軽に利用できるようになります。

現在、VR機器の性能が上昇し、低コスト化した今では、VR (仮想現実)を利用することで、暴露治療が現実的となりました。そこで魔法アプリでは、VRを用いた暴露治療を行える補助ソフトウェアを開発し、治療施設への技術提供を目標に事業化を計画しています。

 

2.事業理念

・効果的な精神障害治療技術の供給

 精神障害において、通常の行動療法よりも仮想現実を用いた行動治療の方がより効果があることが証明されているものも存在する。VRESは一部の不安障害治療だけではなく、精神障害における様々な治療コンテンツを備え、医学会に治療技術を供給する。

 

・精神障害治療技術の発展

精神科医や臨床心理士とともに精神障害の治療方法の開発・研究を進め、精神障害治療技術の発展に貢献する。具体的には現在研究が発表されていないVRによる暴露治療を精神疾患別に行い、論文を不安障害学会等で積極的に発表する。

 

・精神障害治療機会の普及

精神障害を抱える人の多くが自らが精神障害に該当するかを知らないケースが多くある。本システムを様々なメディアを通して多くの人に認知してもらうことで、暴露治療の普及を目指し、精神障害を抱える多くの人に治療機会を提供する。

virtual realityを用いた不安障害等暴露治療ソフトウェアVRES事業概要

VirtualReality Exposure System

現在有限会社魔法アプリでは、不安障害等の治療に用いられる暴露治療を仮想現実で行うことができるシステムの開発を行なっております。今後はこのシステムを事業化することを目標に現在活動しております。

1.事業概要

事業内容

バーチャルリアリティ(仮想現実)技術を用い、精神障害における 全般性不安障害 、 社会不安障害 、 強迫性障害 、 PTSD 、 特定の恐怖症 等の障害の治療 に用いられる暴露療法を行うことができるソフトウェアを開発し、メンタルクリニック(精神科を含む)への販売及びサポートを行う事業を計画しています。

-暴露療法とは?
暴露療法 (Exposure therapy)とは、 不安障害 に用いられる 行動療法 の技法。 不安 や苦痛を克服するため、患者が恐怖を抱いている物や状況に対して、危険を伴うことなく直面させ、行動療法によるカウンセリングを行う。現在では全般性不安障害 、 社会不安障害 、 強迫性障害 、 PTSD 、 特定の恐怖症 などの障害の治療について、さまざまな研究においてその有効性が裏付けれらている。

-精神障害と不安障害とは?
苦悩や 異常 を伴う心理的症候群または 行動様式を精神障害と言いう。精神障害の診断には世界的にDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)と呼ばれる診断手引きが用いられており、DSM-5では、不安障害は精神障害の22群の1つと捉えている。

 

2.VRES